Nintendo Switch 高温スリープの修理
【Switch修理】ファンがうるさい/異音がする場合の対処法
Switch/Switch Lite専門修理のゲームドクターです。
本日は「Nintendo Switchのファンの部分から「ブーン」・「ジー」とうるさい音がなって異音がする。その後に高温スリープエラーが発生し、ゲームが終了する」とお問い合わせがありました。
この症状は結構多く、Switchのファンの回転数異常や内部の異物によってファンに不具合が起こり、このようなことが起こります。
ファンに不具合があると、「高温スリープ」となりゲーム途中などにエラーが発生し、ゲームが終了してしまいます。
今回は「ファンから異音がする原因」と「その対処法・修理方法」をご紹介していきます。
Nintendo Switchのファンがうるさく異音がする原因

Switchのファンから異音がする原因やファンの動作異常により高温スリープエラーが発生する原因として、以下のようなことがあります。
ファンが故障する原因
・ファンが埃や粉塵を吸い上げることで異音が発生する
・ファンが摩耗し、完全に停止する
・内部の基板の不具合によりファンの回転が停止または回転数に異常が出る
殆どこの3つが原因となります。
Switchのファンは埃や粉塵を吸い上げることが多く、これは携帯ゲームならではあり、持ち運ぶことによってどうしても埃や粉塵が多い場所でゲームをしたりすると、中に埃が溜まり不具合が発生します。異音も基本的に異物がファンに入り込むことで起こります。
埃や粉塵は中々避けることができないので、それらによる故障は自然故障に近いです。
次にファンのパーツの摩耗・内部の基板の不具合に関してですが、こちらに関しては長時間の使用や充電しながらの使用により、ファンが常に高回転してファンのパーツが壊れてしまったり、電気的なショートを起こし、ファンの回転を制御している回路が破損することで、ファンの停止や回転数の異常が見られます。
ファンの異音で多い症状パターン
実際に修理依頼で多く見られる症状には、いくつかの典型的なパターンがあります。
・起動直後から異音がする
電源を入れた瞬間からブーンという音が鳴り続ける場合、ファン内部に異物が挟まっている状態です。この段階で対処すれば、ファン交換だけで済むことが多いです。
・ゲーム中に音が大きくなる
負荷の高いゲームをプレイしている最中に、徐々に異音が大きくなるパターンです。ファンの回転数が上がったタイミングで、埃や粉塵が擦れる音が顕著になります。
・異音が発生する
ファンが回ったり止まったりを繰り返し、その度にジーという音が鳴ります。ファンの制御回路に問題が生じている可能性が高く、早期の修理が必要です。
・音と共に本体が熱くなる
異音と同時に本体全体が熱を持つ場合、排熱機能が著しく低下しています。高温スリープエラーが出る前段階の状態で、放置すると内部基板へのダメージが進行します。
異音を放置した場合のリスク
ファンの異音を放置すると、単なるファン交換では済まなくなる可能性があります。
排熱が正常に行われない状態が続くと、本体内部の温度が上昇し続けます。通常、Switchの内部温度は40〜50度程度ですが、ファンが機能しない状態では70度を超えることもあります。
この高温状態が継続すると、内部のメイン基板が故障する可能性が高くなります。
また、プラスチック製のフレームが熱で変形し、内部の基板を圧迫して破損させる事例も確認されています。
実際の修理事例では、ファンの異音を1ヶ月以上放置した結果、電源が入らなくなったSwitchもあります。この場合、ファン交換に加えて基板修理や部品交換が必要になり、修理費用が大幅に増加します。
Nintendo Switchの異音がする壊れたファンを修理する
では、実際の修理例を2つほど紹介していきます。
修理例①:NintendoSwitchのファンが停止しエラーが出る
今回運び込まれてきたのは「Nintendo Switchのファンの部分から「ブーン」とうるさい音がなって異音がする。その後、ファンから音が鳴らなくなり高温スリープエラーが発生し、ゲームが終了する」とのことでご依頼をいただきました。
修理前の状態はこんな感じ

見た目上は全く普通ですが、分解するとこうなっていました。


写真は今回のSwitchとは別のものですが、修理したSwitchも同等ぐらいの埃を吸っていました。
*写真を撮り忘れたので、別のSwitchの写真を採用しております…
完全にファンの通気口を塞いでしまい、排熱が上手くいっていないような状況です。
確かにこの状態だと異音がするはずです。
ここからエアダスターや専用の洗浄機を用いてしっかり綺麗にしていきます。

綺麗になれば、ファンの回転を確認していくのですが埃が原因でファンに異常が見られた場合は、清掃をしてもファン自体が壊れていることが多く、交換が必要になります。


交換が終われば、少し負荷をかけてファンを回転させます。
ゲームドクターでは30分程、組み立て前にファンの動作を確認してから、組み立てを行い更に30分程、任天堂の公式動画を流しファンを回し、高温スリープなどの症状が出ないかを確認していきます。
検査・検証後に問題がなければご返送となります。
修理例②:NintendoSwitchのファンからブーン・ジーと異音が鳴る
続いては「NintendoSwitchの内部から(ブーン・ジー)と音がなり、ファンの風がきたり来なかったらする」と問い合わせがありました。
分解して確認するとかなり大きなゴミが入っていました。

動画を見てみると、ファンが動いたり停止したりしていることが分かります。
この状態になるのはファンに粉塵や埃が溜まり、ファンが壊れてしまうことでなってしまいます。

他にも入った埃を全て取り除くと

こんなにも多くの埃の塊が出てきました。

清掃した後はファンを交換し、動作の確認を行なっていきます。
しっかりファンが動くようになりました。
ファンの交換なので、どちらの修理も最短1日〜長くても2日のお預かりとなります。
ゲームのデータもそのままでご返却が可能です。
NintendoSwitchのファンが故障すればどこで修理すればいい?

メーカーに修理依頼をする
メーカーに依頼をする場合、Nintendoの修理サポートに連絡を行い修理手続きを進めます。 保証期間内で損傷なく自然にファンが壊れてしまった場合は基本的に保証対応が可能です。
保証期間外や自損であっても有償にて修理受付は行なっていただけます。 修理期間は平均的に10日〜14日程度と、修理完了までの日数は少しお時間がかかると思っておいてください。
ファンのみの交換ですと、メーカー修理であっても基本的にデータを残せることが多いです。
メーカー修理のメリット・デメリット
メリット ・保証期間内であれば無償で修理を受けられる ・任天堂純正の部品で修理される ・修理後の保証が付く
デメリット ・修理期間が10日〜14日と長い ・配送に時間がかかる ・セーブデータは基本的に保持されるが、本体交換になる場合は消える可能性がある
専門の修理店に依頼をする
その他、ゲームドクターのような専門の修理店に依頼をしていただく方法があります。
保証期間内で修理を行う場合は、メーカー修理にて無償修理を行なっていただけるのであれば、少し時間がかかりますが、メーカー修理の方がいいでしょう。
自損や保証期間外でかつ修理を早く終わらせたい場合は、メーカー以外の専門の修理店に依頼するのも1つの手です。
修理事例の最後でも紹介しましたが、Switchのファンの故障であれば、最短1日〜で修理することが可能です。
専門修理店のメリット・デメリット

メリット ・修理期間が最短1日と早い ・データを消さずに修理できる ・即日対応可能な店舗もある ・修理前に見積もりを確認できる
デメリット ・保証期間内でも有償修理になる ・店舗によって技術力にばらつきがある 。
修理費用の比較
ファン交換の修理費用は、依頼先によって異なります。
任天堂の公式修理では、保証期間外の場合で4,950円〜の修理費用がかかります。これに配送料が別途必要です。
専門修理店の場合、9,000円〜10,000円程度が相場です。店舗によっては送料無料や即日修理に対応しているところもあります。
修理期間と費用のバランスを考えて、自分の状況に合った修理方法を選択することが重要です。
Nintendo Switchのファンがおかしい場合は早めの修理を

ファンは内部の熱を排熱する重要な役割を果たしています。
ファンの回転に異常が見られると、排熱が上手くいかずに内部に熱がこもってしまい、本体のメイン基板の損傷やプラスチックフレームの湾曲によって内部の基板も曲がり、内部パーツの損傷にも繋がります。
ファンに異音が見られたり、高温エラーが発生している場合は早めの修理をオススメします。
高温スリープエラーが出る仕組み
Switchには本体温度を監視するセンサーが搭載されており、内部温度が一定以上になると自動的にスリープ状態に移行します。これが高温スリープエラーです。
この機能は本体を保護するための安全装置として働きますが、頻繁に発生する場合はファンの故障を疑う必要があります。
通常、高負荷なゲームをプレイしても、ファンが正常に機能していればこのエラーは出ません。エラーが出るということは、既に排熱機能が限界に達している証拠です。
ファン故障が引き起こす二次故障
ファンの故障を放置すると、複数の二次被害が発生します。
・バッテリーの劣化加速
高温状態が続くと、バッテリーの劣化が通常の2〜3倍の速度で進行します。充電の持ちが悪くなり、最悪の場合はバッテリーの膨張につながります。
・液晶パネルへのダメージ
内部の熱が液晶パネルに伝わると、画面に色ムラや焼き付きが発生することがあります。液晶の交換が必要になると、修理費用は1万円以上になります。
・基板の半田クラック
繰り返される温度変化によって、基板上の半田接合部にクラック(ひび割れ)が入ることがあります。これにより電源が入らないなどの重大な故障につながります。
修理のタイミングを見極める
以下の症状が1つでも当てはまる場合、早急な修理が必要です。
・ファンから異音が聞こえる
・ゲーム中に高温スリープエラーが出る
・本体背面が異常に熱い
・ファンの風が弱い、または全く出ない
・起動してもファンが回らない
特に、エラーが週に1回以上の頻度で発生している場合は、すでに内部へのダメージが進行している可能性が高いです。
ファンに異音が見られたり、高温エラーが発生している場合が早めの修理をオススメします。
NintendoSwitchのファンの故障予防する方法

埃などを吸い込んでしまうのはある程度仕方がないですが、なるべくファンを故障させないように予防法を実践しましょう。
埃が溜まりやすい所の近くに置かない
特にテレビモードで遊ぶときに、テレビ台やモニターの近くに置くことが多いと思いますが、その周辺は埃が非常に溜まりやすいので、少し離れた場所もしくは定期的に掃除を行い、埃をなるべく少なくしておきましょう。
設置場所に適しているところはどこ?
テレビ台の上段に設置している場合、下段への移動を検討してください。埃は空気の流れに乗って上部に溜まりやすく、上段に置くほど吸引量が増えます。
また、カーペットや布製のソファの上で直接使用すると、繊維状の埃を大量に吸い込みます。プレイ時は硬い床面やテーブルの上を選ぶだけで、ファン内部への埃の侵入を大幅に減らせます。
床に置く場合は、最低でも10cm以上の高さがある台を使用してください。床面から近いほど、掃除機でも取りきれない微細な埃を吸い上げてしまいます。
温度が高い場所での使用や長時間の利用は避ける
温度が高い場所や長時間のゲームは本体の負荷を上げるため、ファンが高速で回転する可能性が高いです。 高速で回転を続けるとファンが摩耗しやすくなるため、故障につながるリスクが上がります。
そのため、夏場の屋外での使用や長時間のゲームは避けるようにしましょう。
使用環境の温度管理
室温が28度を超える環境での使用は、本体への負担が著しく増加します。夏場にエアコンなしの部屋で使用すると、ファンは常にフル回転の状態になり、摩耗の進行が早まります。
Switchを使用する際の推奨温度は5℃から35℃です。
車内での使用も避けてください。夏場の車内は50度を超えることもあり、数分の使用でも高温スリープエラーが発生します。
長時間プレイ時の注意点
連続で2時間以上プレイする場合、1時間ごとに10分程度の休憩を挟むことで、本体温度を下げられます。この休憩中は電源を切るか、スリープ状態にしてファンを休ませてください。

充電しながらのプレイは、バッテリーからの発熱も加わるため、本体温度が通常より高くなります。バッテリー残量が50%以上ある状態であれば、充電ケーブルを外してプレイすることをおすすめします。
ケースに入れて保管する
ケースに入れずに保管をしていると、起動させていなくても吸気口や排気口から埃が自然に入っていってしまいます。
なので、ゲームをしていない間はケースに入れて保管をするようにしましょう。
適切なな保管方法
ハードケースよりもソフトケースの方が、持ち運び時の衝撃からも保護できます。ただし、密閉性の高すぎるケースは内部に湿気が溜まる原因になるため、適度な通気性があるものを選んでください。
立てて保管する場合、排気口が上を向く方向で置くと、埃が入りにくくなります。横置きの場合は、吸気口と排気口の両方が塞がれないように注意が必要です。
長期間使用しない場合でも、月に1回程度は電源を入れて数分間起動させることで、ファンの固着を防げます。
定期的なメンテナンス
半年に1回程度、吸気口と排気口を確認してください。目視で埃が確認できる場合は、掃除機の弱モードで軽く吸引するか、エアダスターで吹き飛ばします。
ただし、エアダスターを使用する際は、本体から10cm以上離して使用してください。近距離から噴射すると、逆に埃を奥に押し込んでしまう可能性があります。
よくある質問(FAQ)
-
Switchのファンの異音はどのくらい放置しても大丈夫ですか?
-
異音が発生した時点で、既にファン内部に何らかの問題が生じています。放置する期間が長いほど、二次被害のリスクが高まります。
異音に気付いてから1週間以内に修理を検討することをおすすめします。特に高温スリープエラーが併発している場合は、早めの対応が必要です。
-
ファンの交換修理でデータは消えますか?
-
ファンの交換修理では、データを保存しているメモリ領域には触れないため、セーブデータやダウンロードしたゲームは消えません。
ただし、メーカー修理で本体交換になった場合は、データが消える可能性があります。修理前に念のため、Nintendo Switch Onlineを利用してクラウドにデータをバックアップしておくと安心です。
ゲームデータを確実に消したくない場合は、ゲームドクターのような専門の修理店に依頼をするようにしましょう。
-
ファンの掃除は自分でできますか?
-
本体を分解せずにできる外部からの簡易清掃であれば、自分で行うことも可能です。吸気口・排気口付近の埃をエアダスターや掃除機で除去する程度なら、リスクは低いです。
ただし、内部の徹底的な清掃には分解が必要です。Switch本体は特殊なネジが使用されており、無理に開けると壊れる可能性が高いです。内部清掃は専門店に依頼することをおすすめします。
-
ファンの交換費用はどのくらいかかりますか?
-
任天堂の公式修理では、保証期間外の場合で4,950円〜の費用がかかります。これに送料が加わります。
専門修理店では9,000円〜程度が相場です。
ファンの故障を放置して他の部品まで壊れた場合、修理費用は2万円を超えることもあります。早期の修理が結果的に費用を抑えることにつながります。
まとめ
いかかでしたでしょうか?
ファンの異音や動作不良をあまり放置しない方が良いというのが、記事を読んでいただいて分かっていただければ嬉しいです。
結構、重要な役割を果たしているのでファンの動作不良が後々に他の故障にも繋がります。
ゲームドクターでは今まで数百台規模でSwitchを修理してきた、プロのリペアスタッフが常駐しているので、修理完了までの期間も早くなるべく早くお客様の手元にSwitchをご返却させていただきます。
ファンの修理以外にも 「ゲームが読み込まない」、「充電不良」、「液晶破損」、「ジョイコンが読み込まない」「エラーコード」「水没」 などほぼ全ての故障に対して修理することが可能です。 Switchだけでなく、Switch Liteでも修理対応可能です。
基本的にデータも消さずに、最短1日〜で修理対応が可能で、全国どこからでも郵送修理対応が可能です。
まずは、お困りの方はお気軽にご相談ください!
この記事の監修者

ゲームドクター リペアスタッフ
ゲームドクターでは基板修理などの高度な技術を持ったリペアスタッフが2名在籍。両スタッフがSwitchのみならずスマートフォンやパソコンなどの修理に5年程携わり、NintendoSwitchが発売されて以降、Switch修理の技術を取得。2年程、修理技術の向上に努め、昨年の2020年10月に専門の修理屋として独立。設立後、お陰様で現在までに数百台のSwitch/SwitchLiteの修理をさせていただきました。
これまで数千台規模のデバイス修理やNintendoSwitch/SwitchLiteを修理してきた経験を元に、読者に分かりやすく修理記事をまとめていきます。