新型Switch(有機ELモデル)基板修理
【修理プロ直伝】Switchの電源が入らない原因と解決法
Switch/SwitchLite専門修理のゲームドクターです。
先日、「Nintendo Switchが充電できなくなって、電源が入らなくなってしまった」と問い合わせがありました。
Switch・SwitchLiteの電源が入らない・充電ができない症状の問い合わせが最近よくいただきます。
購入後間もない場合は保証内でメーカーに修理を依頼することも可能ですが、今回中のデータが全て消えてしまうと言われ、メーカー修理を諦められたそうです。
そこでデータを消さずに修理ができるゲームドクターにご相談いただきました。
今回は「NintendoSwitch(ニンテンドースイッチ)・SwitchLite(スイッチライト)の電源が入らなくなる原因とまず自分でやってほしい対処法」・「実際に修理する方法」をご紹介していきます。
目次
Nintendo Switch・SwitchLiteの電源が入らない原因
Switchの電源が入らない原因は様々ですが、最も多い原因が「メイン基板の破損」となります。
バッテリーが原因と思う方も多いのですが、9割以上のSwitchはメイン基板が壊れています。
過去の記事でも記載しているのですが、Switchは内部で電気的なトラブルが起こることが多く、電源ICや充電ICに不具合を起こし、起動ができなくなってしまいます。
もちろん全てが全て基板の問題ではないので、電源が入らなくなった場合、以下のことを試してみてください。
電源ボタンを12秒以上長押し後、充電や電源投入を行う
電源が入らなくなった場合、電源ボタンを12秒以上長押しし、再度電源の投入や充電を行うと起動できることがあります。
内部のシステム的なトラブルで一時的に電源が入らなくなってしまっている場合は、電源ボタンの長押し後、電源をつけると改善することがありますので、まずはこちらをお試しください。
充電マークが出ているが電源が入らない場合
充電マークが出ているが電源が入らない・充電が溜まらない場合は充電が上手くできていない場合がございます。
その場合、一度充電器の抜き差しやコンセントを変えてみる・充電器自体を変えてみてください。
Switchは充電が空の状態だと30分程、電源が入るのに時間がかかりますので、しばらく触らずに放置しておくと起動することもあります。
上記を試しても電源が入らない場合はメイン基板の破損が考えられるので、修理が必要になってきます。
電源が入らないNintendo Switchどこで修理する?
Switchの修理方法として、以下の2つの方法があります。
メーカー修理
メーカー修理は公式な修理サービスです。Switchの電源が入らなくなった場合、購入後1年以内で正しい使い方をしており、外部損傷がない場合は、保証内で交換してもらえる可能性があります。
しかし、落下などによる自己損傷や保証期間を過ぎている場合は、有償での交換となります。
電源が入らない故障は基板破損であることが多いため、基本的には基板交換が必要です。
そのため、バックアップを取っていない場合、修理に出すとデータが全て消えてしまいます。この点に関しては依頼をする際に十分な注意が必要です。
修理期間は通常10日から14日ほどかかります。修理が完了して郵送で戻ってくるまでに約半月を見ておいた方が良いでしょう。
専門修理店に依頼する
ゲームドクターのようにSwitchの修理を専門に行う業者が全国にあります。しかし、電源入らないSwitchを修理可能な店舗は少ないです。
理由としてはメーカー修理では基板交換ですが、専門の修理店では基板修理を行います。
この基板修理は高度な技術が必要になるため、扱える店舗が少ないです。
そのため、基板故障の場合は、修理店を慎重に選ぶことが非常に重要です。
適切な修理を受けられるよう、信頼性の高い修理店を選ぶようにしましょう。
ゲームドクターでは基板修理であれば、修理期間は3日から5日ほどで完了します。
修理が成功し、復旧した場合は、全てのデータがそのまま残った状態でお返しすることが可能です。
また、万が一修理がうまくいかなかった場合でも、往復の送料のみを負担していただき、修理費用はかかりません。
では、実際にゲームドクターで行った基板修理の事例をみていきましょう。
電源が入らないNintendo Switchを修理
では、実際にゲームドクターで行った修理事例を見ていきましょう。
急に充電ができなくなったSwitch(有機ELモデル)
今回運び込まれてきたのは「急に充電・電源が入らなくなったNintendo Switch(有機ELモデル)」です。
修理前の状態はこんな感じです。
全く充電ができない状態で、起動もできません。
ここから分解を行い検査をしていきます。
検査を行うと充電ICの破損とコンデンサーのショートが確認できたので、交換作業を行います。
交換後は電流値などが正常に戻りましたので、仮組みをして起動を確認します。
無事、起動と充電ができるようになりました。
今回は検査・修理にそこまで時間がかからなかったので、修理後の動作検証も含めて2日でご返却をなりました。もちろんデータもそのままで修理完了しています。
充電ができず、電源も入らないNintendoSwitchの基板修理
今回運び込まれてきたのは「久しぶりにSwitchで遊ぼうと思い、充電器に挿したが1日充電しても全く起動がしない」と問い合わせとご依頼をいただきました。
修理前の状態はこのような状態です。
充電器に挿しても全く充電マークも出ず、起動もできないような状態でした。
ここから分解を行い検査をしていきます。
まずは電源IC付近のショートを疑うため、周辺のチップをテスターで検査していきます。
今回はM92と呼ばれるチップがショートしていたので、交換作業をしていきます。
顕微鏡を見ながら慎重に交換作業を行なっていき、無事交換した後は周りのチップのショートも無くなり、ここは修理完了です。
この電源ICはUSBが破損したり・しかかっていることでショートすることが多いので、USBも検査していきます。
案の定、USBも破損しており恐らく久しぶりに充電器を挿した時に、USBが壊れた影響で運悪く電源ICがショートしてしまったと思われます。
このままUSBも交換作業をしていきます。
USBの交換も無事終わったので、起動を確認していきます。
無事、起動もでき充電も問題なさそうでした。
*充電が100%の時に写真を撮ったので、ジョイコンしか充電がされていないように見えますが、本体の充電も0%〜100%まで問題ありませんでした。
こちらも、修理に1日・動作検証に1日の計2日でご返却となりました。
データももちろんそのままで修理完了です。
電源が入らないNintendoSwitch Liteを基板修理
続いて、ご依頼いただたのは「ゲームをしていると急に電源が入らなくなった」と問い合わせ・ご依頼をいただいたSwitchLiteです。
早速、ご郵送いただきSwitch Liteを検査すると
電流値が0.00Aと全く電気が通っていない状態となっていました。
この状態ですと電気が通っていないので、電源はつきません。 では、分解して中を検査・修理を行なっていきます。
実はSwitch LiteはノーマルのSwitchよりネジの数が多く、構造が複雑です。
ここからメイン基板を外し、回路を1つずつチェックしていくとバッテリーを認識する電源ICの周りがショートしていました。
基板の背面に取り付けられているチップです。 このチップが怪しいので、交換を行なっていきます。
交換を行ない、基板のみの電流値を図ると正常値になったので仮で組み立てて電源を入れてみます。
無事、電源が入るようになりました。
修理期間は同じく2日で完了となりました。
ゲームデータもそのままです。
どうぶつの森のデータがどうしてもということだったので、本当によかったです。
これで全て組み立てて動作確認を行い、お客様のお手元にご返却します。
こちらは修理に2日・動作検証に1日の計3日でご返却となりました。
データももちろんそのままで修理完了です。
ゲームドクターのYoutubeチャンネルにて実際にエラーコードが発生し、電源が入らないSwitchの修理している動画をあげております。
興味のある方はぜひチェックしてみてください。
NintendoSwitchの電源が入らないトラブルの予防策
Switchは定期的な充電をして保管を推奨
Nintendoの公式に下記の記載があります。
・半年に一度は充電してください。長期間充電しないと、過放電の状態になり充電できなくなることがあります。
・充電を繰り返すと、使用できる時間が少しずつ短くなります。
・フル充電後は、自動的に充電が止まります(Nintendo SwitchドックやACアダプターに接続したままにしても、過充電はされません)
引用:Nintendo
実際にしばらく放置したSwitchを久しぶりにつけると電源が入らなくなった事例が多々あります。
そのため、定期的な充電を行い同様のトラブルが起きないように注意しましょう。
本体を投げたり落としたりしない
ゲームに負けて投げたり、手を滑らせて落としたりすることで、基板が壊れてしまう方も多いです。
Switchに衝撃を与えることをなるべく避けるようにしましょう。
充電しながらの使用は避ける
充電しながら使用することで、バッテリー劣化を早めることを勿論のこと、コードに足をひっかけて充電口が壊れてその影響で基板がショートすることもあります。
充電は足をひっかけないようにコードを束ねて、テーブルの上などでするようにしましょう。
ケースに入れて保管をする
本体を本体カバーや収納ケースに入れて保管することで、落下や埃などからSwitchを守ってくれます。
意外とそのままで保管している人も多いので、購入したらまずがケースも一緒に買うようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
Switchの電源が入らなくなってしまい、バックアップを取っていないとデータが消えてしまうと焦ってしまう方も多いですが、適切な処置を行えばしっかりデータもそのままで復旧いたします。
同じ症状で困っている方は是非今回の記事をご参考いただければと思います。
ゲームドクターは今まで数百台規模でSwitchを修理してきた、プロのリペアスタッフが常駐しています。
様々な故障内容に対応しており、「ゲームが読み込まない」、「充電ができない」「高温スリープ」、「水没」、「電源が入らない」、「エラーコード解除」 などほぼ全ての故障に対して修理することが可能です。
今回紹介したNintendoSwitch(有機ELモデル)だけでなく、旧型のSwitchやSwitchLiteにも対応しております。
基本的にデータも消さずに、最短1日〜で修理対応が可能で、全国どこからでも郵送修理対応が可能です。
まずは、お困りの方はお気軽にご相談ください!
この記事の監修者
ゲームドクター リペアスタッフ
ゲームドクターでは基板修理などの高度な技術を持ったリペアスタッフが2名在籍。両スタッフがSwitchのみならずスマートフォンやパソコンなどの修理に5年程携わり、NintendoSwitchが発売されて以降、Switch修理の技術を取得。2年程、修理技術の向上に努め、昨年の2020年10月に専門の修理屋として独立。設立後、お陰様で現在までに数百台のSwitch/SwitchLiteの修理をさせていただきました。
これまで数千台規模のデバイス修理やNintendoSwitch/SwitchLiteを修理してきた経験を元に、読者に分かりやすく修理記事をまとめていきます。