Nintendo Switch Lite 充電不良の修理
Switchの0%からの充電時間はどれぐらい?遅い時の対処法
Switch/SwitchLite専門修理のゲームドクターです。
久しぶりにNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)で遊ぼうと手に取ったとき、バッテリー残量が完全に0%になっていて、充電ケーブルを繋いでも画面がつかない…
そんな経験はありませんか?
電源ボタンを押しても反応がなく、画面左上に電池マークが一瞬表示されるだけ、あるいはそれすら表示されない。こうなると「壊れたのでは?」と不安になりますよね。
ただ、Switchのようなリチウムイオンバッテリーを使った機器では、バッテリーが空の状態から復帰するのに時間がかかることがよくあります。すぐに起動しなくても、必ずしも故障とは限りません。
一方で、数時間待っても充電が進まなかったり、普段から充電がやたら遅いと感じる場合は、バッテリーの劣化だけでなく、本体基板や充電口(USB-Cポート)のトラブルも考えられます。
この記事では、修理専門店として数多くのSwitchを診てきた経験をもとに、「0%からの充電時間の目安」「充電が遅くなる原因」「そして自分で試せる対処法」をお伝えします。
Nintendo Switchの充電時間と0%からの動き
故障を疑う前に、まずはNintendo Switchの「普通の充電時間」と、バッテリーが空になったときの「動作」を知っておきましょう。ここを知らないと、正常な動作を故障と勘違いしてしまうことがあります。
フル充電までの時間
任天堂の公式仕様によると、バッテリー残量0%から100%(フル充電)までの時間は、どのモデル(初期型、バッテリー強化版、有機ELモデル、Lite)でも約3時間が目安です。
ただし、この「3時間」は以下の条件が揃っている場合に限ります。
- 純正のACアダプター(HAC-002)を使っていること
- 本体がスリープ状態、または電源OFFの状態であること
ゲームをプレイしながら充電している場合、特に『ゼルダの伝説』や『スプラトゥーン』『Apex Legends』のような負荷の高い3Dゲームでは、消費電力が大きくなるため、充電時間は3時間を大幅に超えます。場合によっては、充電しているのに残量が減っていくこともあります。
画面がつかない「予備充電」とは
充電器を挿しても画面が真っ暗なまま——この現象で焦る方は多いですが、実はこれ、リチウムイオンバッテリーの安全機能による正常な動作です。これを予備充電(プリチャージ)と呼びます。
リチウムイオンバッテリーは、電圧が極端に下がった状態(過放電状態)で、いきなり大きな電流を流すと、バッテリー内部で化学反応が不安定になり、発熱や発火、バッテリー寿命を縮めるリスクがあります。
これを防ぐため、Switchの電源管理システムは、バッテリー電圧が一定のレベルに回復するまで、画面を表示せず、システムも起動させず、弱い電流でゆっくり充電します。この間は画面に何も表示されず、電源ボタンを押しても反応しません。
数ヶ月以上放置して完全に放電してしまった場合、この予備充電が30分〜1時間かかります。
0%から充電を始めたら、最低でも1時間は触らずに放置するのが基本です。
モデルごとのバッテリー容量
Switchにはいくつかのモデルがあり、バッテリー容量が異なりますが、充電時間はシステム側で調整されています。
| モデル | バッテリー容量 |
|---|---|
| 旧型Switch(HAC-001) | 4310mAh |
| 新型Switch(HAC-001-01) | 4310mAh |
| 有機ELモデル(HEG-001) | 4310mAh |
| Switch Lite(HDH-001) | 3570mAh |
| Switch 2 | 5220mAh |
Switch Liteはバッテリー容量が小さい分、理論上は早く充電が終わるはずですが、バッテリーへの負荷を抑えるために電流が調整されており、他のモデルと同じく約3時間で満充電になるよう設計されています。Switch 2は容量が大きくなりましたが、充電時間は同じく約3時間です。
Switchの充電が「遅い」「増えない」原因
「一晩充電したのに数%しか増えていない」「充電マークは出ているのに残量が増えない」というトラブルには、はっきりした原因があります。
急速充電に対応していない充電器を使っている
Nintendo Switchの充電は、USB Power Delivery(USB PD)という急速充電の規格に対応しています。純正のACアダプターは、状況に応じて15V/2.6A(39W)または5V/1.5A(7.5W)を自動で切り替えて供給します。
一方、よく代用されるスマートフォンの充電器(特に古いiPhoneに付属していた5Wのアダプター)や、パソコンのUSBポートからの給電は、5V/1.0A(5W)程度しか出力できません。Switchが必要とする電力に対して、供給能力が圧倒的に足りていません。
わかりやすく言うと:
- 純正アダプター(39W):蛇口を全開にしてバケツに水を溜めるイメージ
- スマホ用充電器(5W):スポイトで水を垂らしてバケツに水を溜めるイメージ
この差が、充電時間の遅さにつながります。特にSwitchが完全に放電している場合、出力の低い充電器ではシステムを起動させるための最低電圧まで持ち上げるパワーが足りず、いつまで経っても起動しないということが起こります。
ケーブルの品質が悪い
「USB-Cならどれでも同じ」ではありません。100円ショップなどで売られている安いUSBケーブルの中には、充電専用でデータ通信ができないものや、内部の銅線が細く、電気抵抗が大きいものがあります。
抵抗が大きいケーブルを使うと、充電器から送られた電力がケーブルを通る間にロスしてしまい、Switchに届く頃には十分な電力が届きません。その結果、Switch側が「安全な充電ができない」と判断し、充電速度を落としたり、充電自体を止めてしまうことがあります。
バッテリーの劣化
Switchの発売から数年が経ち、初期型やLiteを使っている方の多くがバッテリーの劣化に直面しています。リチウムイオンバッテリーは消耗品で、充放電を繰り返すと劣化します。
劣化が進むと、「充電が遅い」というより、「100%表示なのにすぐ減る」「充電器を繋ぐと一気に残量が増える」といった残量表示のおかしさが目立つようになります。
これはバッテリー内部の電圧変化が不安定になり、本体側が正確な残量を計算できなくなっている状態です。こうなると、いくら充電しても本来の駆動時間は取り戻せません。
本体が熱くなっている
Switchには温度管理機能があります。リチウムイオンバッテリーは熱に弱いため、充電中に本体温度が一定以上(おおよそ45℃付近)に上がると、バッテリー保護のために充電電流を制限したり、止めたりします。
以下のような環境では、安全装置が働いて充電が極端に遅くなります。
- 布団やクッションの上で充電している(熱がこもる)
- 直射日光が当たる場所で充電している
- 排気口にホコリが詰まり、ファンが回っていても冷却できていない
本体が熱いと感じたら、涼しい場所でスリープ状態にして、温度が下がるのを待ってください。
Switchの故障かどうかの見分け方と修理方法
上記の原因を確認し、純正アダプターを使い、適切な環境で充電しても改善しない場合、問題は「周辺機器」ではなく「Switch本体のハードウェア故障」の可能性が高くなります。
よくあるハードウェア故障
本体側の故障として多いのは、以下の3つです。
充電口(USB-Cポート)の破損
ケーブルの抜き差しで内部のピン(接点)が折れたり、基板から外れたりする故障です。「角度を変えないと充電できない」という症状は、この前兆です。
充電制御ICのショート
規格外の充電器やモバイルバッテリーを使ったことで過電流が流れ、基板上の電力制御チップが焼けてしまう故障です。まったく充電反応がなくなるのが特徴です。
バッテリーの寿命・膨張
バッテリーそのものが電気を蓄える能力を失っている状態です。
メーカー修理と専門店の違い
このようなハードウェア故障が起きた場合、任天堂の公式サポートに修理を依頼するのが一般的です。ただ、メーカー修理では基板ごと交換になることが多く、その場合、本体に保存されているセーブデータは初期化されて消えてしまいます。バックアップを取っていない方には大きな問題です。
そこで選択肢になるのが、Switch/SwitchLite専門修理の「ゲームドクター」のような専門修理店です。ゲームドクターでは、データを保存している部分には触れず、壊れた充電口やチップだけを交換・修復します。
ゲームドクターの特徴
- セーブデータが消えない
基板交換ではなく故障箇所の修復を行うため、大切なセーブデータを残したまま修理できます。 - 最短1日で修理可能
部品の在庫を常に確保しており、到着から最短1日〜数日で作業を完了して返送します。 - 修理できなければ料金不要
診断の結果、修理できないほどの重度な破損だった場合、作業費や診断料はいただきません(往復送料のみご負担)。 - 全国どこからでも依頼可能
郵送修理に特化しているため、近くに修理店がない地域からでも依頼できます。 - 修理実績3000台以上
充電口の交換や基板修理など、高度な修理の実績が豊富にあります。
「充電ができない=データが消える」と諦める前に、専門的な修理でデータを救える可能性があることを知っておいてください。
自分でできるトラブル対処法
修理を依頼する前に、一時的なエラーの可能性を確認しておきましょう。これらを試しても改善しない場合が、修理依頼のタイミングです。
強制再起動を試す
画面が真っ暗なままフリーズしている場合、通常の電源操作では反応しません。強制的に電源を切り、再起動することで、充電回路のリセットを試みます。
- 本体上部の電源ボタンを12秒以上長押しします(画面に変化がなくても押し続けてください)
- 指を離し、数秒待ちます
- 再度、電源ボタンを短く1回押して起動するか確認します
これで起動しない場合は、電源ボタンを長押しして電源を完全に切った後、純正ACアダプターを接続し、そのまま20分以上放置してから再度電源を入れてみてください。
充電口を確認・清掃する
明るい場所で、本体下部のUSB-Cポートの中を覗いてください。
- ホコリが詰まっていないか
- 中の端子(金属の板)が曲がっていないか
ホコリが見える場合、エアダスター(空気のスプレー)で吹き飛ばしてください。
爪楊枝や金属のピンセットで触るのは絶対にダメです。
端子を傷つけてショートさせてしまい、軽い接触不良を重い故障に悪化させる原因になります。端子が明らかに曲がっている、または黒く焦げている場合は、通電させずに修理に出してください。
ACアダプターをリセットする
ACアダプター自体にも保護回路が入っています。コンセントやタップの不調で一時的に止まっている可能性があるため、一度コンセントからACアダプターを抜き、1分ほど放置してから、壁のコンセントに直接挿し直して確認してください。
よくある質問(FAQ)
- スマホの充電ケーブルを使っても壊れませんか?
-
最近のUSB-Cケーブルなら物理的には挿さりますが、おすすめはしません。特に100円ショップの安いケーブルや、規格が不明なアダプターを使うと、電圧制御がうまくいかず、充電時間が極端に長くなります。
最悪の場合、過電流でSwitch本体の基板がショートして故障することもあります。 - ドックに差してもテレビに映らず、充電もされません。
-
ドックのランプが点灯しない場合、ドック自体の故障、ACアダプターの故障、またはSwitch本体のUSB-Cポートの故障が考えられます。
ACアダプターをドックから外し、直接Switch本体に接続して充電できるか確認してください。直接接続で充電できるならドックの故障、できないなら本体またはアダプターの故障と判断できます。 - 久しぶりに起動したら、すぐに充電が切れるようになりました。
-
長期間放置による過放電が原因で、バッテリーが劣化してしまった可能性があります。リチウムイオンバッテリーは使わなくても自然に放電し、0%の状態で長く放置すると電池としての性能を失います。
数回の充放電を繰り返しても改善しない場合は、バッテリー交換が必要です。 - モバイルバッテリーで充電するときの選び方は?
-
「USB PD(Power Delivery)対応」と書いてあり、出力が「30W以上」のものを選んでください。出力が低いモバイルバッテリーでは、ゲームをプレイしながらの充電ができず、バッテリー残量が減り続けます。
また、ケーブルもPD対応のものを使う必要があります。
まとめ
Switchの充電が0%から進まない、または遅いと感じたら、まずは焦らずに以下の手順を確認してください。
- 仕様を理解する:正常でも0%からの復旧には時間がかかる(予備充電)。最低1時間は様子を見る。
- 環境を確認する:必ず純正ACアダプターを使い、タコ足配線ではなく壁のコンセントを使う。
- 再起動を試す:12秒以上の長押しで強制再起動する。
- 充電口を確認する:破損や異物がないかチェックする。
これらを試しても改善しない場合、バッテリーの寿命、充電口の破損、内部基板のショートといったハードウェア故障が疑われます。これらは自然に直ることはなく、無理に使い続けると完全に起動しなくなるリスクがあります。
ゲームドクターは今まで3000台以上のSwitchを修理してきた、プロのリペアスタッフが常駐しています。
様々な故障内容に対応しており、「ゲームが読み込まない」、「充電ができない」「高温スリープ」、「水没」、「電源が入らない」、「エラーコード解除」 などほぼ全ての故障に対して修理することが可能です。
SwitchやSwitchLite・Switch(有機ELモデル)・最新のSwitch2にも対応しております。
基本的にデータも消さずに、最短1日〜で修理対応が可能で、全国どこからでも郵送修理対応が可能です。
本日、紹介した自分で試せる対処法を行い、改善しない場合はゲームドクターにお気軽にご相談ください!
この記事の監修者

ゲームドクター リペアスタッフ
ゲームドクターでは基板修理などの高度な技術を持ったリペアスタッフが2名在籍。両スタッフがSwitchのみならずスマートフォンやパソコンなどの修理に5年程携わり、NintendoSwitchが発売されて以降、Switch修理の技術を取得。2年程、修理技術の向上に努め、昨年の2020年10月に専門の修理屋として独立。設立後、お陰様で現在までに3500台以上のSwitch/SwitchLiteの修理をさせていただきました。
これまで1万台以上のデバイス(iPhoneやタブレット・PC)修理やNintendoSwitch/SwitchLiteを修理してきた経験を元に、読者に分かりやすく修理記事をまとめていきます。