Nintendo Switch 基板修理
【保存版】Nintendo Switchが充電できない時の原因と対策【修理プロ監修】
Switch/SwitchLite専門修理のゲームドクターです。
先日、「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)エラーコードが出て全く充電できなくなった」とご依頼を受けました。
このようなご依頼はゲームドクターに毎日いただきます。メーカー修理ではメイン基板の交換になるため、ゲームデータが消えてしまうと言われたとのことで、ゲームデータを消さずに修理ができるゲームドクターへご依頼をしていただけました。
本記事では「NintendoSwitch(ニンテンドースイッチ)・SwitchLiteが充電できなくなる原因」と「充電不良の状態からゲームデータをそのままで復旧させる方法」について解説をしていきます。
目次
NintendoSwitch・SwitchLiteが充電できなくなる原因
Nintendo Switch・SwitchLiteの充電トラブルは他の故障に比べてもかなり多く、以下のような原因が考えられます。
充電ができなくなる原因
・充電器の抜き差しによる経年劣化
・充電器に足を引っ掛けたりすることによるUSB破損
・落下や衝撃、電気トラブルによるメイン基板の破損
など様々です。
症状として充電口がグラついたまま使用されている方も多く、グラつきがあるまま使用する内部の回路パターンが剥離し、充電不良になってしまう場合やメイン基板がショートすることもあります。
この剥離が綺麗に剥がれていれば問題は無いのですが、「ランド」と呼ばれる基板のパターンごと剥がれている場合が多く、そうなるとこのパターンの再形成が必要になってくるので、通常のUSB交換ではなく”基板修理”となります。
その他、電源ICのショートなどで充電不良になるパターンも基板修理となります。
しかも、このパターン再形成や電源ICの交換はかなり難易度が高くメーカーはもちろんですが、Switchを専門に修理をしている修理屋でも行える所は少ないでしょう。
充電ができなくなった時にまず試してほしいこと
一概に上記の理由が原因で充電ができなくなる訳ではありません。
内部のシステム的な原因により充電ができなくなることもあり、その場合は電源ボタンを12秒以上長押ししその後、充電器を差して充電できるか確認してみましょう。
一時的なシステムトラブルの場合はこの解決法で改善できます。
また、充電器側が破損していることもあり、互換性のType-C充電器や純正の充電器を買い替えて充電を試すようにしてみましょう。
上記の対応を行っても改善しない場合は本体の故障が考えられるので、修理を行う必要があります。
では、実際に「USB・メイン基板が破損して充電ができなくなったSwitch」の修理例を見ていきましょう。
Switchの充電ができない場合どこに依頼すればいい?
Switchの修理をする方法として2つの方法があります。
メーカー修理
メーカー修理は公式修理になります。
充電不良は万が一、購入後1年以内に正しい使い方で本体にも損傷がない場合、保証内で修理していただける可能性はありますが、明らかな充電口の損傷や本体の損傷があった場合は保証内では修理は難しくなると思われます。
しかし、修理自体は基本的に受け付けてもらえるので、その点安心です。
充電不良は上記でも説明したように、充電口の破損または基板破損となるため、メーカー修理では基板交換になる可能性があります。
その場合、バックアップを取っていない場合は、データが全て消えてしまいます。
なので、その点は依頼をする場合、注意が必要です。
修理期間は10日〜14日ほどとされ、郵送で戻って来るまでは半月ほどを見ておいて方がいいでしょう。
メーカー以外で修理する場合
ゲームドクターのようにSwitchを専門に修理を行う業者が全国にあります。
しかし、充電不良の原因であるUSBの交換や基板修理などの高度な修理プランを取り扱えるお店は少ないでしょう。
また、修理方法が確立されていない状態で修理を行うお店もあり、ゲームドクターにも他店で修理を行い症状が悪化したSwitchを何度も修理してきました。
そのため、USB交換や基板修理のような重度の故障は修理するお店を慎重に選ぶようにしてください。
ゲームドクターでは充電不良の修理は、修理期間最短2日〜5日ほどで完了します。
もちろん、復旧した場合、全てのデータは残ったままでお返しすることが可能です。
また、万が一復旧できなかった場合は、往復送料のみで修理費用はいただきませんので、安心してご依頼をいただけるようにしております。
では、実際に充電ができないSwitchを修理する過程を見ていきましょう。
充電ができないNintendoSwitchを修理する
では、実際の修理例を2つほど、ご紹介いたします。
修理例①:突然充電ができなくなったNintendoSwitch(有機ELモデル)
今回運び込まれてきたのは、「突然充電ができなくなったNintendo Switch(有機ELモデル)」です。
修理前の状態はこんな感じです。
充電器に繋いでも充電マークが出ず、電流値も通常1.0A以上出る所が、0.07Aとかなり低い状態です。
ここから分解を行なって、修理をしていきます。
メイン基板の取り外しが完了すれば、基板のチェックを行なっていきます。
充電口は確認した所、損傷は見られなかったので、今回は大丈夫でした。
基板をチェックすると「M92T36」と呼ばれる、電源関係のICチップの破損が確認できました。
このチップを交換していきます。
交換が完了すれば、一旦組み上げて起動するかの確認を行なっていきます。
しっかり充電ができるようになりました。
セーブデータもそのままで修理が完了しております。
ここまでの作業時間は2日程(修理に1日・動作検証に1日)でご返送となりました。
修理例②:Nintendo Switchの充電の端子が折れて全く充電ができない
では、続いて「Switchの充電コードに足が引っかかり、充電口の端子が折れてしまった」と問い合わせをいただきました。
このように中を覗くと充電端子が折れているのが分かります。
ここから分解をしていき、USBの交換していきます。
基板の破損もなくUSBの破損が原因でしたので、このまま取り付けを行っていきます。
交換後、組み上げを行い充電の確認を行なっていきます。
充電とテレビ出力も問題なくできたので、修理完了となります。
USB修理と修理後の検証で2日程で修理完了です。
もちろんデータそのままで修理完了です。
修理例③:徐々に充電ができなくなったSwitchLiteのUSB修理
最後に「徐々に充電ができなくなって、最終的に全く充電ができなくなったSwitchLite」です。
修理前の状態はこんな感じです。
到着時は全く充電ができない状態です。
ここから分解をしていきます。
ちなみにSwitchLiteはノーマルのSwitchより分解の難易度が高いです。
自己修理される方もおられますが、SwitchLiteは分解難易度が高いことから自己修理失敗が多いです。
こちらが破損したUSBとなります。
一見壊れているようには見えませんが、下の画像のように内部で接触不良を起こしているので交換をしていきます。
ここからUSBを取り外していきます。
半田面を綺麗にしていきます。
ここから新しいUSBを取り付けていきます。
取り付けが完了すれば、組み立てて充電の確認を行っていきます。
無事、充電ができるようになりました。
今回の修理も修理期間は2日程となります。
ゲームデータもそのままなので、これでまたゲームを続きから遊ぶことが可能です。
ゲームドクターの公式Youtubeチャンネルでは今回のような修理を動画で解説をしていますので、興味のある方は是非チェックしてみてください!
充電できなくなるトラブルを予防する方法
充電ができなくなる原因は様々ですが、取り扱いを気を付けることで故障を防ぐこともできます。
充電しながら使用しない
よくあるのが、充電中に足をひっかけてしまったり、遊んでいる時に引っ張ってしまったりが多く、充電を行う時はコードをまとめる、遊ぶながら充電をしないことで充電口の故障を防ぐことができます。
また、充電しながらの使用はバッテリーの劣化にも繋がるので注意が必要です。
充電器は純正を使用する
Switchはスマホなどに使われるType-Cの互換性の充電器も使用はできますが、安価な充電ケーブルの使用による故障も多いため、なるべく純正の充電器を使用するようにしましょう。
どうしても出先などで純正の充電器が使用できない場合は、Ankerなど信頼のあるメーカーから発売されている充電ケーブルを使用するようにしましょう。
充電器は定期的に買い替える
充電器は頻繁な抜き差しなどにより徐々に劣化してきます。
充電器の劣化による本体故障が一番多いため、充電がしづらくなったり、外から見てピンが折れていたりした場合はすぐに買い替えるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
Switch・SwitchLiteが充電できないトラブルは非常に多く、最悪の場合、電源全く入らなくなることもあるので、早めの対策は必須です。
メーカー修理でデータが消えてしまうと言われてしまった場合は、お気軽にご相談くださいませ。
ゲームドクターでは今まで数百台規模でSwitchを修理してきた、プロのリペアスタッフが常駐しています。
様々な故障内容に対応しており、「ゲームが読み込まない」、「充電ができない」「高温スリープ」、「水没」、「電源が入らない」、「エラーコード解除」 などほぼ全ての故障に対して修理することが可能です。
Switchのモデルも「Switch」・「SwitchLite」・「Switch有機ELモデル」のすべてのモデルを修理することができます。
基本的にデータも消さずに、最短1日〜で修理対応が可能で、全国どこからでも郵送修理対応が可能です。
まずは、お困りの方はお気軽にご相談ください!
この記事の監修者
ゲームドクター リペアスタッフ
ゲームドクターでは基板修理などの高度な技術を持ったリペアスタッフが2名在籍。両スタッフがSwitchのみならずスマートフォンやパソコンなどの修理に5年程携わり、NintendoSwitchが発売されて以降、Switch修理の技術を取得。2年程、修理技術の向上に努め、昨年の2020年10月に専門の修理屋として独立。設立後、お陰様で現在までに数百台のSwitch/SwitchLiteの修理をさせていただきました。
これまで数千台規模のデバイス修理やNintendoSwitch/SwitchLiteを修理してきた経験を元に、読者に分かりやすく修理記事をまとめていきます。