Nintendo Switch 基板修理
Switchの画面が青い!?ブルースクリーンを修理【原因と対処法は?】
Switch/SwitchLite修理専門のゲームドクターです。
今回は「落とした後に急に画面がフリーズし、NintendoSwitch(ニンテンドースイッチ)の画面が青くなり(ブルースクリーン)起動ができなくなった」とお問い合わせをいただきました。
このブルースクリーンはSwitchに非常に多いトラブルかつ”致命的な損傷”となります。
基本的に基板の破損となるため、メーカー修理では”基板交換”となり、データが消えてしまうのでバックアップを取っていなければデータは全て無くなります。
メーカー以外の修理屋でもこのブルースクリーンを直せる所は少なく、対応できない場合が多いです。
そんな時にゲームドクターにご依頼をいただければ、”基板修理”を行いゲームデータを維持したまま最短3日〜で修理が可能です。 本記事では「Switchがブルースクリーンになる原因」と「 ブルースクリーンから復旧する方法」をご紹介していきます。
Nintendo Switchがブルースクリーン(青い画面)になる原因
Nintendo Switchのブルースクリーンは、特定の原因によって発生します。
原因を正確に理解することで、予防策の判断が可能になります。
ブルースクリーン発生の基本メカニズム
Nintendo Switchがブルースクリーンになる原因は、メイン基板からの部品剥離に集約されます。具体的には以下の2つのパターンが存在します。
- 本体湾曲によりメイン基板からのメインメモリ剥離
- 本体湾曲によりメイン基板からのCPU剥離
メインメモリは4GB LPDDR4(2GBモジュール×2)で構成されており、いずれか一方でも剥離すると起動不能になります。CPUはSwitch全体の制御を担うため、こちらが剥離した場合も同様の症状が現れます。
メイン基板の湾曲はどのように起こるのか
本体外装が湾曲すると、内部に固定されたメイン基板も同じ方向に曲がります。基板は元来平面を保つ設計ですが、外装に密着して固定されているため、外装の変形に追従する形で反りが生じます。
基板の反りは、実装された部品と基板本体の接合部に圧力を発生させます。
メインメモリやCPUは、BGAと呼ばれる複数個の微細な半田ボールで基板に接続されています。
この半田ボールの直径は0.3mmから0.5mm程度しかありません。基板が反ることで、これらの半田接合部に圧力がかかり、最終的に剥離や半田クラックが発生します。
落下による衝撃の影響
衝撃により、基板が瞬間的にしなり、実装部品に衝撃が集中します。特に重量のあるCPUやメインメモリはダメージを受けやすいです。
コンクリートやタイル床への落下は、カーペットやフローリングと比較して衝撃が2倍から3倍になります。落下時の角度によっても、基板へのダメージが変わるため、損傷箇所は個体ごとに異なります。
外部からの圧力
バッグの中で他の荷物に押しつぶされるなども本体湾曲の原因となります。
特に本体中央部への圧力は、メイン基板の実装面に直接影響を与えます。
リュックサックの底に入れて重い荷物を上に載せた状態で、長時間持ち運びすることはかなり危険です。
ドックへの抜き差し時に無理な力をかけたりなども蓄積でブルースクリーンなどの故障に繋がることもあり、正しい角度で挿入せず、斜めに押し込むような動作は避けるべきです。
「修理できる?」「費用はいくら?」など、
専門スタッフが丁寧にお答えします。
ブルースクリーン(青い画面)のNintendo Switchを修理
では、実際にブルースクリーンを修理する過程を見ていきましょう。
修理例①:画面がフリーズしブルースクリーンになったNintendo Switch
こちらは当然画面がフリーズし、ブルースクリーンになってしまったSwitchです。
恐らく、この記事を見ていただいている方は同じような画面になっているのでは無いでしょうか?
これが噂の青い画面(ブルースクリーン)です。 では、早速修理を行っていきます。
今回は検査の結果こちらのメインメモリ【4GB LPDDR4 (2GBモジュール×2)】の内、1つが基板から剥離している可能性高いと確認できたので、これを取り外して、リワークを行い取り付けを行っていきます。
取り外した後はこんな感じです。 右下の半田面が剥離していましたが、ここは複数あるアース内の2つなので問題はなさそうです。
なので、半田クラックを衝撃などで起こしていた可能性があるので、再度メインメモリにリボールし取り付けを行っていきます。
まず、取り外したメインメモリを綺麗にしていきます。
続いてリボールの作業に入ります。ちなみにこの作業は修理の中でもトップクラスの難易度です。
通常は機械で行う作業を人間の手で行っていきます。
しっかり均等にリボールが出来たので、これを再度Switchのメイン基板に戻していきます。
取り付け完了です。 これで起動を行うと
しっかりブルースクリーンが解除されました。
修理例②:落下後にブルースクリーンになったNintendo Switch
では、2台目の修理例を見ていきます。
こちらは落下後にブルースクリーンになってしまったSwitchです。本体の湾曲がかなりひどい状態でした。
ここから分解をしてメモリチップを確認していきます。
次は修理例-1で紹介したメモリチップと逆側のチップに以上があると点検で判明いたしました。 取り外して中を確認していきます。
パターンが2箇所断線していました。他の箇所はアースなので特に気にしなくても大丈夫です。
断線している箇所をエナメル線で修復します。この作業は”超”が付くほどに難易度が高いです。
同じく、メモリチップをリボールして再度取り付けていきます。 そして起動をさせると
無事、復旧いたしました。
修理例③:叩いてしまってブルースクリーンになったNintendo Switch
続いては上記で紹介した2つの例とはまた違った箇所の破損で、ブルースクリーンになったSwitchの修理例となります。
状態としては同じブルースクリーンとなりますが、破損箇所が異なっていたので、分解をして確認していきましょう。
Switchをメインで制御しているCPUと呼ばれる部品の回路の一部が断線してしまっていました。
上記の写真の茶色くなった箇所には元々他の箇所のように銀色のパターンがあったのですが、落下などの衝撃で剥離してしまい断線し、ブルースクリーンになってしまっていました。 まずはこの回路修復を行なっていきます。
髪の毛より細いエナメル線を使用し、回路の修復を行なっていきます。 この作業は非常に細かく高い修理技術を必要とします。 続いて外したCPUをリボールと呼ばれる作業を行い、再度メイン基板に取り付けいていきます。
この数百個あるボール半田を均等な大きさに取り付けて、メイン基板にCPUをしっかり取り付けないとブルースクリーンは解除されません。 この作業はSwitch修理の中でも最高難易度の作業になり、行える修理店も限られてきます。
取り付けが完了すれば、組み立てて動作の確認を行なっていきます。
しっかり起動いたしました。 CPUを取り外し、回路修復後に再度CPUを取り付けるという難易度が高い修理でしたが、無事データもそのままで修理が完了いたしました。
ブルースクリーンは一時的に解除されても、すぐに画面がフリーズして再度ブルースクリーンになってしまう可能性があるので、1日程充電しながら様子をみて問題なければご返却となります。
復旧すればデータもそのままでご返却可能ですが、冒頭でもお伝えしたようにブルースクリーンはSwitch本体のメイン基板の湾曲によって起こります。
根本的な原因である基板の湾曲は直すことができないので、やはり衝撃などで再発のリスクがあります。
なので、すぐにゲームデータのバックアップを取っていただき、再度なってしまった場合は買い替えを推奨します。
Switchのブルースクリーン修理はどこに依頼すればいい?
メーカー修理
メーカー修理は公式修理になります。 ブルースクリーンは万が一、購入後1年以内に正しい使い方で本体にも損傷がない場合、保証内で交換していただける可能性はありますが、落下などによる自損や保証期間の場合は有償での交換となります。
ブルースクリーンは上記でも説明したように、重度の基板破損となるため、基本的には基板交換になるため、バックアップを取っていない場合は、データが全て消えてしまいます。
なので、その点は依頼をする場合、注意が必要です。 修理期間は10日〜14日ほどとされ、郵送で戻って来るまでは半月ほどを見ておいて方がいいでしょう。
メーカー以外で修理する場合
ゲームドクターのようにSwitchを専門に修理を行う業者が全国にあります。 しかし、ブルースクリーンのような重度の故障を取り扱えるお店は少ないでしょう。
また、修理方法が確立されていない状態で修理を行うお店もあり、ゲームドクターにも他店で修理を行い症状が悪化したSwitchを何度も修理してきました。
そのため、ブルースクリーンのような重度の故障は修理するお店を慎重に選ぶようにしてください。
ゲームドクターではブルースクリーンは基板修理になるため、修理期間は3日〜5日ほどで完了します。
もちろん、復旧した場合、全てのデータは残ったままでお返しすることが可能です。 また、万が一復旧できなかった場合は、往復送料のみで修理費用はいただきませんので、安心してご依頼をいただけるようにしております。
Switchのブルースクリーンを予防する方法
ブルースクリーンを完全に防ぐ方法はありませんが、発生リスクを大幅に減らせる対策はあります。
本体の湾曲と落下による衝撃、この2つに注意することで故障を遠ざけることができます。
Switchの温度管理を徹底する
冒頭でも記載しましたが、Switchは長時間使っていると本体がかなり熱くなります。
この熱がプラスチック製の外装を少しずつ変形させてしまうのです。
1時間ゲームをしたら10分ほど休憩を入れる、これだけで本体に熱が溜まりすぎるのを防げます。
特に夢中になって数時間ぶっ通しでプレイしてしまうゲームほど注意が必要です。
充電しながらのプレイも要注意です。バッテリーの発熱と本体の発熱が重なって、通常より高温になります。ドックに挿したまま長時間プレイすると、本体裏面が60度近くまで上がることもあります。
夏場の暑い部屋でのプレイや、直射日光が当たる場所への放置も避けましょう。エアコンの効いた涼しい部屋で遊ぶだけでも、本体への負担は大きく変わります。
落下に備えたケース選び
Switchを落としてしまった経験、誰にでもあると思います。大切なのは落とした時の衝撃をどれだけ吸収できるかです。
TPU素材やシリコン素材のケースは柔らかくて衝撃を吸収してくれます。触った時にグニャっとする素材のものですね。傷防止だけでなく、落下時の保護も考えるならこのタイプがおすすめです。
硬いプラスチック製のケースもありますが、衝撃吸収という点では素材次第です。内側にクッション材が入っているタイプなら安心ですが、ただ硬いだけのケースは傷は防げても衝撃には弱いこともあります。
持ち運び用のセミハードケースを使うなら、本体がケース内でガタガタ動かないジャストサイズのものを選びましょう。ケースが大きすぎると、中で本体が動いて結局衝撃を受けてしまいます。
ゲームドクター おすすめ TPUケース
Switchを持ち運ぶ時こそ慎重に
通勤や通学でSwitchを持ち歩く人も多いと思います。
バッグの中での置き方一つで、本体への負担は大きく変わります。
カバンの底に入れてしまうと、上に載せた荷物の重さが常に本体にかかります。長時間この状態が続くと、本体が少しずつ曲がってしまう原因になります。カバンの上の方や、専用のポケットに入れる習慣をつけましょう。
満員電車での移動中は特に注意が必要です。周りから押されてバッグが潰れることもあります。混雑する時間帯は家に置いていくか、硬めのケースに入れてバッグの中央あたりに入れておくと安心です。
角張ったものと一緒に入れるのも避けたいところです。金属製の文房具や充電器などが当たると、局所的に強い力がかかって本体を傷めます。
使う場所にも気を配る
床に直接置いてプレイするのは危険です。誰かが踏んでしまう可能性があります。
テーブルモードで使うなら、必ず安定した台の上に置きましょう。
ソファやベッドでゴロゴロしながらプレイするのは気持ちいいですが、落下や下敷きになるリスクもあります。寝る前に布団の中でプレイして、そのまま寝落ちしてしまった経験がある人も多いのではないでしょうか。本体を踏んだり、体重をかけてしまったりする事故が起きやすい環境です。
小さなお子さんがいる家庭では、Switchの保管場所も考える必要があります。
子供は悪気なく投げたり乱暴に扱ったりすることがあります。手の届かない場所に置いておくのが一番です。
月に一度は本体をチェック
本体の状態を定期的に確認することで、問題を早期に見つけられます。
月に一度くらい、ゆっくり本体を眺めてみましょう。
前面と背面のパネルの間に隙間ができていないか確認します。
本体を横から見て、反りや歪みがないかもチェックしましょう。わずかな変化でも見逃さないことが大切です。
ドックへの抜き差しがきつくなった、Joy-Conの取り付けが緩くなったと感じたら要注意です。
これらは本体が少し曲がり始めているサインかもしれません。
こうした初期症状を見つけたら、使い方を見直すチャンスです。ケースを変えたり、長時間プレイを控えたりすることで、症状の進行を遅らせられます。すでに曲がりが進んでいる場合は、万が一に備えてゲームデータのバックアップを取っておきましょう。
ドックの使い方にも注意
ドックモードは画面が大きくて迫力がありますが、本体温度は上がりやすくなります。何時間も連続でドックに挿しっぱなしにするのは避けた方が良いでしょう。
ドックの周りに十分な空間を確保することも重要です。壁にピッタリくっつけたり、扉のある棚の中に入れたりすると、熱がこもって本体温度が上がります。
ドックへの抜き差しも丁寧に行いましょう。急いでいる時についつい乱暴に扱ってしまいがちですが、斜めに押し込んだり無理に引き抜いたりすると、本体に余計な力がかかります。
純正品以外のドックを使う場合は慎重に選んでください。充電の仕様が違ったり、本体への負担が大きかったりする製品もあります。評判の良いメーカーの製品を選ぶようにしましょう。
よくある質問:FAQ
- Switchのブルースクリーンとは何ですか?
- 画面が青くなり起動できなくなる症状で、メイン基板からメインメモリやCPUが剥離することで発生します。本体の湾曲や落下などの衝撃が原因で起こる致命的な故障です。
- ブルースクリーンになった場合、データは消えてしまいますか?
- メーカー修理では基板交換となるため、バックアップがない場合データは全て消えてしまいます。ただし、基板修理を行う専門業者に依頼すれば、データを残したまま修理できる可能性があります。
- 修理にはどのくらいの期間がかかりますか?
- メーカー修理の場合は10〜14日程度かかります。専門修理業者(ゲームドクター)では基板修理で3〜5日程度で完了します。ただし、復旧できない場合もあり、その際は修理費用は発生しません。
- ブルースクリーンを予防する方法はありますか?
- 長時間のプレイや充電しながらのプレイを避け、本体の過熱を防ぐことが重要です。また、落下防止のためにケースに入れて持ち運ぶ、シェル型ケースを使用するなどの対策が有効です。
まとめ
いかかでしたでしょうか?
ゲームドクターでは今まで数百台規模でSwitchを修理してきた、プロのリペアスタッフが常駐しています。 今回のブルースクリーンのような重度破損でも対応が可能です。お客様の大切なゲームデータのために尽力させていただきますが、ブルースクリーンは基板の変形が酷いと、場合によっては復旧できないこともあります。 その場合は修理料金は一切いただきません(往復送料はご負担いただきます)ので、安心してご依頼をいただければと思います。
ゲームドクターではブルースクリーン修理以外にも 「液晶が破損した」「ゲームが読み込まない」、「充電ができない」「高温スリープ」、「水没」、「基板修理(電源が入らない)」 などほぼ全ての故障に対して修理することが可能です。 Switch・Switch Lite・Switch有機ELモデル・Switch2でも修理対応可能です。
基本的にデータも消さずに、最短1日〜で修理対応が可能で、全国どこからでも郵送修理対応が可能です。
まずは、お困りの方はお気軽にご相談ください!
「修理できる?」「費用はいくら?」など、
専門スタッフが丁寧にお答えします。
この記事の監修者

ゲームドクター リペアスタッフ
ゲームドクターでは基板修理などの高度な技術を持ったリペアスタッフが2名在籍。両スタッフがSwitchのみならずスマートフォンやパソコンなどの修理に5年程携わり、NintendoSwitchが発売されて以降、Switch修理の技術を取得。2年程、修理技術の向上に努め、昨年の2020年10月に専門の修理屋として独立。設立後、お陰様で現在までに数百台のSwitch/SwitchLiteの修理をさせていただきました。
これまで数千台規模のデバイス修理やNintendoSwitch/SwitchLiteを修理してきた経験を元に、読者に分かりやすく修理記事をまとめていきます。