ブルースクリーン(青い画面)からNintendo Switchを復旧
では、実際にブルースクリーンを修理する過程を見ていきましょう。
修理例①:突然画面がフリーズしブルースクリーンになったNintendo Switch
こちらは当然画面がフリーズし、ブルースクリーンになってしまったSwitchです。
恐らく、この記事を見ていただいている方は同じような画面になっているのでは無いでしょうか?
これが噂の青い画面(ブルースクリーン)です。
では、早速修理を行っていきます。
今回は検査の結果こちらのメインメモリ【4GB LPDDR4 (2GBモジュール×2)】の内、1つが基板から剥離している可能性高いと確認できたので、これを取り外して、リワークを行い取り付けを行っていきます。
取り外した後はこんな感じです。
右下の半田面が剥離していましたが、ここは複数あるアース内の2つなので問題はなさそうです。
なので、半田クラックを衝撃などで起こしていた可能性があるので、再度メインメモリにリボールし取り付けを行っていきます。
まず、取り外したメインメモリを綺麗にしていきます。
続いてリボールの作業に入ります。ちなみにこの作業は修理の中でもトップクラスの難易度です。
通常は機械で行う作業を人間の手で行っていきます。技術習得まで長い期間がかかりました…
しっかり均等にリボールが出来たので、これを再度Switchのメイン基板に戻していきます。
取り付け完了です。
これで起動を行うと
しっかりブルースクリーンが解除されました。
修理例②:落下後にブルースクリーンになったNintendo Switch
では、2台目の修理例を見ていきます。
こちらは落下後にブルースクリーンになってしまったSwitchです。本体の湾曲がかなりひどい状態でした。
ここから分解をしてメモリチップを確認していきます。
次は修理例-1で紹介したメモリチップと逆側のチップに以上があると点検で判明いたしました。
取り外して中を確認していきます。
パターンが2箇所断線していました。他の箇所はアースなので特に気にしなくても大丈夫です。
断線している箇所をエナメル線で修復します。この作業は”超”が付くほどに難易度が高いです。
同じく、メモリチップをリボールして再度取り付けていきます。
そして起動をさせると
無事、復旧いたしました。
修理例③:叩いてしまってブルースクリーンになったNintendo Switch
続いては上記で紹介した2つの例とはまた違った箇所の破損で、ブルースクリーンになったSwitchの修理例となります。
状態としては同じブルースクリーンとなりますが、破損箇所が異なっていたので、分解をして確認していきましょう。
Switchをメインで制御しているCPUと呼ばれる部品の回路の一部が断線してしまっていました。
上記の写真の茶色くなった箇所には元々他の箇所のように銀色のパターンがあったのですが、落下などの衝撃で剥離してしまい断線し、ブルースクリーンになってしまっていました。
まずはこの回路修復を行なっていきます。
髪の毛より細いエナメル線を使用し、回路の修復を行なっていきます。
この作業は非常に細かく高い修理技術を必要とします。
続いて外したCPUをリボールと呼ばれる作業を行い、再度メイン基板に取り付けいていきます。
この数百個あるボール半田を均等な大きさに取り付けて、メイン基板にCPUをしっかり取り付けないとブルースクリーンは解除されません。
この作業はSwitch修理の中でも最高難易度の作業になり、行える修理店も限られてきます。
取り付けが完了すれば、組み立てて動作の確認を行なっていきます。
しっかり起動いたしました。
CPUを取り外し、回路修復後に再度CPUを取り付けるという難易度が高い修理でしたが、無事データもそのままで修理が完了いたしました。
ブルースクリーンは一時的に解除されても、すぐに画面がフリーズして再度ブルースクリーンになってしまう可能性があるので、1日程充電しながら様子をみて問題なければご返却となります。
復旧すればデータもそのままでご返却可能ですが、冒頭でもお伝えしたようにブルースクリーンはSwitch本体のメイン基板の湾曲によって起こります。根本的な原因である基板の湾曲は直すことができないので、やはり衝撃などで再発のリスクがあります。
なので、すぐにゲームデータのバックアップを取っていただき、再度なってしまった場合は買い替えを推奨します。
Nintendo Switch専門修理 よくある故障内容と修理方法を解説
Nintendo Switchのブルースクリーンの修理を動画で解説
スマライフさんという現役のリペアマンでガジェット系・修理系のブログやYoutubeチャンネルを運営する方に実際に施設に来ていただき、Switchのブルースクリーンの修理をして頂きましたので、「ゲームドクターではどのように修理を行っているのか?」と気になる方は、一度スマライフさんのYoutube動画を見て頂ければと思います。